ミステリー小説おすすめ⑩「槐」は人を大切に思いつつ戦うという非情

月村了衛(つきむらりょうえい)氏の小説を読みました。

ある意味ミステリー、ある意味サバイバル・アクション。

「槐(エンジュ)」

月村了衛・著作

非情とは何か?

仲間とは何か?

を考えさせてくれます。

仲間のために懸命に生き残る、自己犠牲精神を発揮するなど、とても引き込まれる小説です。

では、あらすじ、見どころ、考えさせられたことをお伝えします。

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「槐」あらすじ

水楢(みずうら)中学校3年生の弓原公一(ゆみはらこういち)は野外活動部キャプテン。

野外活動部は山で夏合宿を行うという伝統がありました。

部員は公一を含めてわずかに6名(男子3人、女子3人)。

そして引率の教師2人(男性教頭、女性副顧問)。

さらに半ば不良の問題男子生徒1人を参加させることに。

合計9名の夏合宿が始まります。

合宿は周囲を山に囲まれた湖畔キャンプ場。

携帯も圏外になるような場所で、すでに寂れており、手入れも大雑把の状態。

それでも少数のキャンプ客もいました。

やがてここが殺戮の現場になるとも知らずに。

夜。

銃声により悪夢が始まります。

半グレ集団リーダーの溝淵がキャンプ場を封鎖し、キャンプ場の人々を皆殺しに。

理由は40億円という大金がキャンプ場に隠されているらしい、という理由で。

捕らわれの身となった公一は、知恵を絞って全員が生き残れる方法を探します。

万策尽きたかと思われたとき、半グレ集団が次々と何者かに襲われ始める。

思わぬ救世主により捕らわれの身から解放された生徒たち。

力を合わせて警察に救助要請するために、それぞれが命がけの行動にでます。

まだまだ半グレ集団が取り囲むキャンプ場。

公一たちは生き残ることができるのか?

「槐」の見どころ

追い詰められた中学生たちと先生の葛藤や生き残るための行動が最大の見どころ。

そして突然現れた救世主の存在も超重要です。

「槐」とは救世主の名前そのものでもあります。

なぜそう呼ばれるのか。

ストーリーで徐々に明らかとなることに。

救世主が戦闘のほとんどを引き受けますが、生徒や先生もかなり活躍しますよ。

とくに私が面白いと感じたのは、日本武道を修めた生徒や先生の存在。

柔道や薙刀が、まさかこんなところで役立つとは!と思うほど。

とにかく小説の内容はサバイバル・アクション。

銃撃戦、ナイフ格闘、素手による格闘戦など、オールラウンドの戦闘ストーリーが続きます。

ハラハラ、ドキドキ間違いなし!

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考えさせられたこと

静かに、平和に日常を送れるというのはとてもありがたいことです。

でも、その日常が突然崩壊するときがある。

それも突然に。

そんなとき、人はいったいどのような行動をとるのか?

自分が助かりたいからと仲間を売るのか。

それとも仲間のために自己犠牲精神を出すのか。

とくに気の狂った集団に襲われたとしたら、自分のことで精一杯となるでしょう。

そんな時、友人を守れるのか?

私自身、そんな人間でいることができるのだろうか?と考えてしまいます。

強烈なストレス状況下では、人間は生存することのみに集中するといいます。

同時に「恐怖心」がじわりじわりと支配してきます。

膝が笑った状態となり、思うように動けなくなる。

まさにヘビに睨まれたカエルの状態ですね。

そんなとき、人は自分の殻に閉じこもり、両耳をふさいで祈ります。

頼むから危機は去ってくれ、と。

ですが、危機は自ら去ってくれることはありません。

恐怖心をグッと押さえ込み、危機に立ち向かう。

この小説では、そのようなメッセージをくみ取ることができました。

生徒には生徒なりの、先生には先生の、そして救世主には救世主の葛藤が伝わってきます。

サバイバル・アクションですが、そのような人間ドラマも充分に楽しめる内容でもありますよ。

さいごに

「槐」の紹介でした。

ゾンビ系のサバイバル・アクションが好きな人なら楽しめる内容ですね。

また武道や格闘技に興味がある人も、ちょっとした空き時間に楽しむことができるでしょう。

もちろん小説だから楽しめる内容です。

私自身、現実の世界ではぜったいに味わいたくないストーリーでした。

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