ミステリー小説おすすめ⑪「ブラック・ドッグ」に希望はないが読める

人間が動物に狩られるなんてことが起こったら・・・。

怖いですよね。

そんな怖さが小説になっています。

「ブラック・ドッグ」

葉真中 顕(はまなか あき)著作

この小説を読んでいると、希望というものがまったく感じられなくなります。

でもなぜか一気読みしてしまう。

怖いもの見たさ、という人間の欲を見事についた小説です。

では、いってみましょう。

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「ブラック・ドッグ」あらすじ

アメリカの牛肉加工会社社長が無残にも殺害される動画から、ストーリーは開始します。

冒頭から人と動物の共存平等を唱える過激動物愛護団体(DOG)。

牛肉加工会社社長は謎の生物によって食われてしまう。

動画がネット上に配信されたころ、東京では大手ペット流通企業「アヌビス」が一大イベントを開催準備します。

会場は東京ゲートブリッジを南へ渡った埋立地にある巨大イベント会場。

イベントへ参加するグループは栞(しおり)、隆平(りゅうへい)がいる動物愛護団体ウィズ。

彼らは捨てられたペットの里親を探すために、不本意ながらも本イベントに参加。

オープニングセレモニーで合唱することになった中学生のひとクラス。

そして主催側のアヌビス。

アヌビスは新しく開発した「一番かわいい子供のまま成犬になる犬」を目玉商品として販売イベントを開催します。

でも裏では犬を単なる商品としか考えていないやり方で量産していた。

イベント参加客もどんどん来場し、オープニングセレモニーが始まろうとしたとき、巨大イベント会場の防火扉がすべて閉じてしまいます。

そして想像を絶する地獄か始まることに・・・。

謎の黒い巨大な四足生物が場内の人を「狩り」だす。

栞、隆平、その他の来場者たちの運命は。

「ブラック・ドッグ」の見どころ

やはり謎の四足生物の描き方でしょう。

充分頭の中でイメージができます。だから余計に怖い!

強靭な肉体、人を超えたスピード、そして脅威の知能。

こんな生物に「狩られる」のだけは、私はごめんですね・・・。

また、こんな恐るべき生物ハンターたちから、登場人物らがいかにしてサバイバルしていくのかも見どころ。

巨大なイベント会場。しかも防火扉がすべて閉まり、逃げ道はありません。

高い知能を持った四足生物と生き残るために団結しようとするサバイバーたち。

ハラハラ、ドキドキの連続です。

ただ・・・、メインキャラクターと思っていた登場人物が「えッッ!まさかここで、こうなっちゃうの!」という驚きもあります。

ちょっとショックを受けたのを覚えています。

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「ブラック・ドッグ」で考えさせられたこと

これは単なるパニック・サバイバルミステリーではありません。

現在、地球上の食物連鎖の頂点に人類があります。

そして人類は文化、科学、医学などを発展させて地球上を謳歌しています。

その裏では多くの動物たちが犠牲となっているわけですね。

医療発展のための動物実験。

人類が生きていくための食肉として。

そして癒しのためのペットとして。

人間が幸せに生きるための「身勝手さ」のために、様々な犠牲を強いられる動物たち。

同じことを人間にやると、それは大問題となる。

なぜ?

過激動物愛護団体(DOG)はそこを突いてきます。

なぜ動物にはよくて、なぜ「ヒト」にはダメ?

人類よ、なぜわかろうとしない。

ならば、わからせてやる!

と、DOGは東京で開催されたアヌビスのペット販売イベントをターゲットとします。

癒しのペット。

世間では「かわいい~」と抱っこされ、本当に多くの日本人がペットを飼っています。

と同時に心無い飼い主によって捨てられるペットも無数にいるようです。

そして可哀そうなペットの末路は、行政による殺処分。

人間が幸せに生きる「身勝手さ」というところを、本当にうまく突いてくる小説でもありますね。

651ページにわたる長編小説のストーリーに「希望」という光がまったく見えません。

それでもグイグイ引き込まれる内容です。

登場人物も多いですが、それぞれのキャラクターの視点を上手に分けてストーリーが展開します。

読み進めるごとに新たな事実が明かされていく。

一気読み間違いなしの小説でした。

さいごに

以上、「ブラック・ドッグ」の小説紹介でした。

とても分厚い本ですが、それでも読んでいる間はページ数など気になりませんでした。

とてもグロい内容なので、それなりに気を引き締めて読み始めることをおすすめします。

とにかく「希望」の見えないストーリーですが、いろいろと考えさせられる内容でした。

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