ミステリー小説おすすめ⑫「殺戮にいたる病」は現代日本を射抜く

サイコキラーの小説でも高く評価されている本書。

私も期待しながら読んでみました。

「殺戮にいたる病」

我孫子武丸・著作

1996年に出版された本書ですが、今でも現代日本の問題点を射抜いています。

内容は凄まじいの一言ですが、それでも引き込まれる小説ですよ。

では、いってみましょう。

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「殺戮にいたる病」のあらすじ

本小説は、いきなり「エピローグ」から始まります。

エピローグってストーリーがすべて終わった「おまけ」みたいな情報提供ですよね。

まさにその通りで、全ストーリーを読み終えてから再度「エピローグ」を読むと、なるほど!ってなります。

「殺戮にいたる病」は最初から犯人が判明しています。

犯人は物語の主人公でもある蒲生稔(がもうみのる)。

稔がターゲットの女性を誘い出し、第1の殺人事件を起こす。

サイコキラーである稔は、この殺人で「最高の愛」を発見したと感じるように。

そして定期的に「愛せる女性」を求め、東京の町中をうろつくように。

稔の魔の手により、次々と女性が犠牲になっていきます。

蒲生雅子(がもうまさこ)は稔の異常さに感づき始める。

そして母として息子を信じながらも、息子の部屋を調べる行為を止められなくなります。

また何人目かの犠牲者が出たとき、元刑事の樋口(ひぐち)は、それが以前お世話になった女性であることを知る。

そしてその犠牲者の妹・島木かおると手を組み、犯人探しに動き出す。

やがてサイコキラー・稔とかおるが出会うことに・・・。

「殺戮にいたる病」の見どころ

山場のひとつは、稔がどのように犯行を重ねていくかが描かれていること。

犯行シーンはとってもグロいです。

グロいけれども、本ストーリーの見せ場のひとつであることは間違いありません。

そして元刑事・樋口と犠牲者の妹・かおるが密かに犯人を探す行動がストーリーに大きな変化を起こし始めると、かなりのハラハラ感が出てきます。

ただし!

この小説の最大の見どころは最後の最後に出てきます。

そう、とてつもない大どんでん返しとして。

あまりにも巧妙な構成でストーリーが進むので、どんでん返し後も様々な疑問が多々出てくるでしょう。

そして、あなたはもう一度この小説を読む羽目になるでしょう。

私もそうでした。

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「殺戮にいたる病」で考えさせられたこと

サイコキラーって怖いですよね。

一見普通の人で、性格は穏やか、対人関係もまったく問題ない人。

でも本性は・・・。

いったいどうやれば見分けることができるんでしょうか?

こればかりは悩んでしまいますよね。

またこの小説では、現代における家族のあり方についても考えさせてくれます。

核家族化、会話不足、仕事一辺倒の父親または母親など。

そんな脆い家族関係のなか、成長期の子供たちが受ける精神的な負荷とは?

将来の人格形成に大きな影響があるのか?ないのか?

家族とは何なのでしょう。

地方の大家族が理想像なのでしょうか?

でも大家族は、しきたりや近所づきあいなども多く、現代日本人の多くが面倒と感じることでしょう。

では核家族はどうでしょう。

しがらみや面倒なしきたり、近所づきあいもほとんど無いに等しいでしょう。

ところが、いざ問題が発生すると、誰にも相談できないという悪循環が待っているようにも感じます。

どちらにも一長一短がありますが、これから日本の家族はどのような方向へ向かっていくのでしょうか。

「殺戮にいたる病」は1996年に出版された小説ですが、2018年になってもまだ、見事に現代日本の問題点をするどく突いてきていると感じました。

ぜひ、一読してみてください。

さいごに

「殺戮にいたる病」の紹介でした。

内容はとても読みやすく(グロさを別にして)、とても引き込まれるストーリーでした。

前半のグロさという山場。

後半の犯人を見つけ出すというハラハラ感。

この二つが交差したとき、本ストーリーが盛り上がります。

そして大どんでん返し。

これは実際に読んで、「やられたー!!」と実感してくださいね。

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