ミステリー小説おすすめ⑬「深淵の覇者」から学ぶプロ意識と平和

今回は軍事サスペンスの紹介です。

軍事サスペンスとはいえ、ミステリー小説の要素も充分に含まれる内容です。

「深淵の覇者」

数多久遠・著作

この小説からは潜水艦決戦の詳細を知ることが可能。

神経をすり減らす壮絶な頭脳戦。

プロ意識とは何か?を問いかけられます。

また平和ということについても考えさせられます。

著者が元航空自衛隊幹部だけあってリアリティは最高!

では、いってみましょう。

「深淵の覇者」あらすじ

プロローグは緊迫した潜水艦内から始まります。

なにかしらの緊急事態が発生。

その後、潜水艦「まきしお」が訓練中に事故を起こしたと公式発表がされます。

そしてこの事故で、橋立真樹夫(はしだてまきお)2等海尉が死亡。

本ストーリーの主人公・木村美奏乃(きむらみその)は死亡した真樹夫の恋人。

防衛省技術研究本部の技官でもある美奏乃は、真樹夫の死について疑問を持ちます。

潜水艦の新装備品開発に係わる美奏乃は、5年かけて最新機器を開発。

静かに、かつ着実に真樹夫の死の真相を知る人に接近することに。

新装備試験は海自の最新鋭潜水艦「こくりゅう」で実施が決定。

そして「こくりゅう」艦長が荒瀬修司(あらせしゅうじ)2等海佐。

5年前の「まきしお」事故当時者だった。

試験を行いつつ、美奏乃は荒瀬に真相を迫ります。

そんな時、尖閣諸島周辺で日中局地戦が勃発。

中国海軍が新型潜水艦を開発し、海自の護衛艦を撃沈。

事態は緊迫。

最新装備を取り付けた「こくりゅう」に、政府よりとてつもない命令が下る。

日中潜水艦対決は?

真樹夫の死の真相は?

日中局地戦の行方は?

手に汗握るストーリーが展開されます。

「深淵の覇者」の見どころ

見どころは2つあります。

ひとつ目は、日中の最新鋭潜水艦同士の戦いですね。

凄まじいまでの頭脳戦。

逃げたくても逃げれない潜水艦という鉄の箱。

訓練、最新機器を信じて戦う乗組員たち。

潜水艦ってこんな戦い方をするのか!と驚きの連続です。

その恐怖心ときたら・・・。

海上自衛隊の中でも「潜水艦乗り」は特別な存在である、といわれます。

その意味が充分に伝わってきます。

もうひとつの見どころは、真樹夫の死の真相が解明されていくところですね。

なぜ彼は死んだのか。

そこに見える「プロ意識」が心に響きます。

真樹夫のみならず、荒瀬艦長のプロ意識にも教えられるものがあるでしょう。

「深淵の覇者」で考えさせられたこと

ずばり、平和とは何か?

なぜ人間はお互いに疑い合うのか。

人の命、政治的駆け引き、プロ意識、日常生活、人生とは何なのか。

それらすべてがひっくるめられて尖閣諸島周辺の日中局地戦が展開されます。

平和はとても大切なものです。

(※我々日本人はずっとそう教えられてきました)

ただ、その「平和」を維持するためには何が重要なのか。

残念ながら世界の常識では「軍事的優位性」となってしまいます。

世の中は矛盾だらけ。

その矛盾に真剣に向かい合おうとしない日本人への警告の書ともいえる内容が本書ですね。

「深淵の覇者」のような現実が起きないことを願うばかりです。

さいごに

以上が「深淵の覇者」の紹介でした。

叫びだしたくなるような緊張感の中、各々の隊員が任務遂行のため、黙々と作業をします。

このプロフェッショナリズムには頭が下がります。

日本人には馴染みのない「軍事分野」の小説です。

それでも現実の世界で体を張っている人たちがいる、ということが充分に伝わる内容でしょう。

視野を広げるためにも、一読をおすすめしますよ。

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