登山遭難事故のほとんどが「軽い遭難」の現実!なぜなのか?

遭難事故の増加が社会問題になっています。

恐ろしい遭難事故のニュースが流れるたびに、私は遭難者の方が無事であってほしいと思っています。

ところが、実際の登山遭難事故の大半が「軽い遭難」。

それってどういうことなのでしょう。

今回は軽い遭難の現実、そして登山者が陥りやすい心理現象を紹介しますね。

では、いってみましょう。

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登山遭難事故発生とはどのような状況なのか

登山、低山ハイキングの基本は、

自分の足で登り、自分の足で下山する

にあります。

ただ、なにかしらアクシデントがあって自力で下山できなくなったとします。

当然「救助要請」しますよね。

警察に救助要請をした時点で「遭難事故発生」となるわけです。

そして近年では携帯電話の普及により、ちょっとしたことでもすぐに警察へ連絡するケースが増加しています。

本当にちょっとしたことで連絡ができてしまう携帯電話。

いま登山者の救助要請モラルが問題視されています。

登山遭難事故発生件数の現実

年々遭難事故が増加していると冒頭で述べました。

たくさんの登山者が山で亡くなっているのか?と思われるでしょう。

が、実際は違います。

遭難の大半が、

・道迷い
・疲れてもう歩けない
・ちょっとした怪我で大慌て
・(ライトを忘れて)暗くて歩けない、などなど・・・

ほとんどが上記の理由となっています。

反対に死亡遭難事故というのは全体の1割くらい。

また私が聞いた話で、信じられない救助要請もありました。

疲れたから、救助隊をタクシー代わりに使った

これはもうマナー以前の問題となりますよね。

つまり山を理解せず、体力トレーニングもあまり行わず、レジャー感覚で登山している人がとても多いということになるわけです。

本人の注意と山への理解があれば避けられる遭難。

これを「軽い遭難」ともいいます。

なぜ軽い遭難が頻発するのでしょう?

そこには無意識のうちに陥ってしまう人間の心理メカニズムがあります。

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軽い遭難を引き起こす「正常性バイアス」とは

正常性バイアスは心理学の用語です。

人間は無意識のうちに、自分に都合の悪い情報を見て見ぬふりしてしまいます。

東日本大震災でも正常性バイアスが働き、多くの方が避難せず津波の犠牲となったといわれます。

「避難か・・・(正直面倒だな)。多分津波は大丈夫。それよりも家の片付けが先だ」

地震直後で家の中が散らかってしまった状態だと、津波よりも清掃を優先してしまう心理現象。

無意識のうちに「多分津波は大したことないだろう」という観測的希望

この希望的観測に従ってしまうのです。

そして正常性バイアスは、誰もが知らず知らずのうちに陥ってしまうという怖さもあるんです。

この無意識感覚が怖い。

なぜなら、危険を認識できないから。

それは登山者にもいえることなんですね。

正常性バイアスによる登山者への影響

正常性バイアスにより、ほとんどの登山者の方が「自分は遭難しないだろう」という、いわゆる根拠のない自信を持ってしまうわけですね。

(当然、このバイアスは私自身も無意識のうちに陥ってしまいます)

さらにニュースで扱われる遭難事故はほとんどが雪山、行方不明、そして死亡事故という大きな出来事。

このようなニュースを観て、登山者の多くが「そんな危険な山へは行かないから、死亡することはないはず」と考えがちになってしまいます。

つまりニュースによって「遭難は他人事」となってしまう。

遭難発生は警察へ救助要請した時点です。

ところが軽い遭難状態にいる本人は、遭難しているという自覚がないわけですね。

死が目の前に迫っていないから。

その結果、

疲れて歩けないから、警察に連絡して安全に下山させてもらおうかな

という安易な考えで救助要請してしまうことに。

これは大きな問題です。

なぜなら救助要請があると救助隊は出動しなくてはなりません。

ちょっと疲れたという人のために出動している間に、本当に救助が必要な遭難が発生するかもしれません。

その時に救助隊がいない!となったら・・・。

登山は自分自身との対話

登山はすばらしいスポーツです。

すべての年代の方が自由に登り、大自然を満喫し、登山という全身運動で健康を維持しています。

自分の足で登り、自分の足で下山するためにあなたは常にあなた自身について知っておく必要があるわけですね。

それでも登りで疲れ切ってしまい、これ以上登れないと思うことがありますよね。

そんなときは山が「まだここに登るには早すぎるよ」という警告を与えてくれたものと感じましょう。

そしてすぐに下山して、再戦できるよう自己鍛錬に励みましょう。

孫子の「敵を知り、己を知れば、百戦して危うからず」という言葉がありますね。

挑む山についてしっかりリサーチし、またあなた自身の体と登山レベルを自覚すれば、どのような計画を立てればいいかがわかるはず。

遭難を避け、安全で楽しい登山をしましょう。

さいごに

登山する前、登山中はあらゆる努力をしましょう。

遭難を避けるため、怪我をしないため、さらに他の登山者を怪我させないためにも。

しっかりと準備し、あらゆる努力をしても万策尽きてしまった場合は躊躇なく救助要請するようにしましょう。

あなたの家族を悲しませないためにも、必ず生きて山から下りてきてください。

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