登山初心者の頃に講習(地図判読)を受けた in イギリス

以前の私は、地図が読めないことが最大のネックでした。

なんとか地図判読を克服したい。

そうすればどんどん登山ができる、と思いました。

そしてイギリスでマップリーディング(地図判読)とランドナビゲーション(地上航法)の講習を受ける決心をしました。

なんでイギリス??

今回はそのあたりから入りましょう。

私にとって足りないものを会得するために実行した、旅の思い出です。

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登山初心者としての自己分析

登山用地図がまったく読めない・・・。

30代で登山が趣味になりはじめた私の弱点は、登山用の地図判読でした。

体力には自信がありましたが、地図が読めないと絶対に遭難するという不安が。

そして講習を受ける決心をします。(不安を消し去るため)

どうせならハードな体力トレーニングと講習がセットになったコースを受けたいと思いました。

ところが日本にはそのような講習はなし。

ならば海外に行けばいいと判断。(アメリカ留学経験があったので)

講習を受けるのならイギリスだ!

イギリスって意外とアウトドアが盛んな国なんです。

これなら地図判読の講習会も期待できる。

そしてハードなトレーニングなら軍隊式が理想。

イギリスには世界最強といわれるSASという特殊部隊があります。

ここの元隊員がインストラクターをやっている講習会があれば最高!

と思ってネット検索したらヒット。

メールで交渉開始。

そしてインストラクターから下記のようなありがたい返事をいただきました。

「歓迎しよう。やる気があるのなら、7月に地球の反対側までお越しください」

初心者用講習会?いやいや、これは訓練だ!

ブレコン・ビーコンズ。

イギリス西部、ウェールズ地方に位置する広大なナショナルパークが講習場所でした。

ここで3日間の特別講習開始。

料金は600ポンド。

初日から15kgの軍隊用リュックを背負って山へ。

講習は地図を見て、地形を確認するやり方。

そしてどんどん歩かされます。

そのうえ、常にインストラクターから質問が飛んできます。

「現在地はどこだ?地図上で示せ」

現在地を示すと、「なぜそう判断した?」

「あちらに山が見える。地図上ではどこになる?」

「なぜそう判断した?」

「あの地形が見えるね。地図上ではどのように表記されている?」

「なぜそう判断した?」

ただ地図が読めればいいわけではなく、常に「判断した理由」を問われました。

当初はかなりきつかった質問でしたが、そのうち明確に答えられるように。

あらゆる地形と地図を照らし合わせて自分の現在地を確認する「判断力」がみるみる上達するのが感じられたほどです。

インストラクターが求めてきたのは、地形と地形図の明確な一致。

それも細かいところまで。

講習会だったので、より厳しく指導してくれたのだと思います。

またSAS選抜訓練時のこぼれ話もいろいろと話してくれました。

この話は面白かった。

そして元軍人のインストラクターを選んだもう一つの理由。

それがナイト・ランドナビゲーションでした。

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日本の講習会では考えられないナイト・ランドナビゲーション

※基本として

夜間に山を歩くのは危険です。

通常の登山ではライトを持っていても、夜の山は歩かないようにしましょう。

ですが講習ではあえて危険なことも経験させてもらえました。

なんといってもインストラクターは元特殊部隊員。

日本ではまず経験できない講習内容でしょうね。

まず、あらかじめ目標点を地図上で決めておきます。

出発前に目標点までに通過する経路を地図上の地形で判断し、各ステージに区分。

例えば、

●第1ステージは岩場の地形を東へ進み、沢に出る。

●第2ステージは沢に沿って北東へ進む。そうすると鉄製のフェンスにぶつかる。

●第3ステージはフェンスに沿って北へ○○メートル進む。

そのような経路を頭の中に叩き込み、移動中は一切地図は見ないようにとの指示。

ライトも使用不可。

貴重な経験を積めました。

ファン・ダンス。総合訓練へ

3日目、最終日は早朝から総合訓練となりました。

ファン・ダンスとはイギリス特殊部隊で行われる選抜テスト。

ブレコン・ビーコンズ最高峰のペニーファン(886m)を登り、下った先にある折り返し地点までが11km。

回れ右をして、もと来た道をスタート地点まで戻ってゴール。

合計距離22km。

さらに20kgの荷物を背負います。

インストラクターは「4時間で往復してみな」、とプレッシャーをかけてきました。

スタートからいっきに886m頂上を目指して登山。

登りは早歩き。

下りは駆け足が基本となります。

いい感じでどんどん進みました。

2日間の厳しい特訓のおかげでスラスラと地図が読めました。

進歩したなぁ~

山を下り、折り返し地点を目指しますが、歩いても走っても折り返し地点がない・・・。

おかしいぞ!? 距離的にはもう折り返し地点は過ぎている・・・。

しまった~!地図を読み間違えた!!!

ここからは学んだことを総動員して経路修正。

走りに走って折り返し地点に。

インストラクターがニヤニヤ笑いながら待っていました。

「1時間遅れてるな」

見てろ~。

日本人の意地を見せてやる!

回れ右をしてスタート地点を目指しましたが、正直なところ完全にスタミナ配分が狂ってしまっていました。

これは完走できるのだろうか?

本当の未知へのチャレンジをすることに。

復路のペニーファンの登りは容赦なく、心臓が口から飛び出るのではないかと思うほど。

ところが、自分が思っていた限界点よりも、もう一歩先に行ける自分がいることに気づきました。

5時間20分でゴール。

インストラクターは拍手をしながらこう言いました。

道を間違えたとき、そのことに気づき、経路を修正し、折り返し地点まで到達した。

君は自分の力でそれをやってのけたんだ。

3日前の君が同じことをできたと思うか?

レベルアップしたんだよ。自信を持ってもいいぞ!

こうして3日間の講習(訓練??)は終了しました。

俺は強くなった

ヒースロー空港から飛行機が飛び立ったとき、ロンドンの町を眺めながら本当に実感したことがあります。

俺は強くなった。

肉体的にも、そして頭脳的にも(地図判読は頭を使うため)。

たった3日間で信じられないくらい成長させてもらえました。

イギリスでの講習は、ある意味特殊な環境だったといえます。

日本では安全の関係上、ここまで追い込んでくれるインストラクターが存在するのか?、と考えています。

それでも、日本でも講習を受けることによりあなたの登山スキルは間違いなく向上するでしょう。

本やネットだけに頼るのではなく、人から教わりながら実際に動いてみる。

これだけでかなりレベルアップできますよ。

おわりに

世界最高峰のインストラクターから学んだ技能は今の私を大きく支えています。

一人で山に入る、初心者を連れて入る、野宿、重い荷物を背負ってアルプスに挑むなど、次から次へとチャレンジできる力をつけてもらいました。

自分の弱点を克服する。

どんな形でもいいので、あなたなりのチャレンジを行なってみてはいかがでしょうか。

必ず実感できますよ。

強くなった!、と。

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